〒516-0021 三重県伊勢市朝熊町4383-469 TEL 0596-63-5677/FAX 0596-22-8851

乾漆(アクセサリー) 作業工程

シリコン型を使って簡易なアクセサリーを作成することで乾漆の概要を学習する。
乾漆とは、原型にそって麻布を漆で塗り重ねて成形する技法で、任意の型で成形ができ、作品は軽くで丈夫である。

第01工程 布貼り

第02工程 中詰め

第03工程 布貼り

第04工程 拭き漆

第05工程 目摺り

第06工程 拭き漆

第07工程 蒔地(1)

第08工程 蒔地(2)

第09工程 蒔地(3)

第10工程 拭き漆

第11工程 中塗り


※この教室は初心者向けの教室であり、ここで紹介している技法は一例である。
※写真は平成23年度に開催のものである。


第1工程 布貼り

漆の硬化後に、麻布と型がきれいに剥がれるように、はじめに離型剤をシリコンゴム型へ塗っておく。
あらかじめ原型の大きさに切った麻布を2枚用意しておき、1枚目を定盤に置き、その上に糊漆を塗り延ばし、それを型の上に載せて、絵筆を使って型に合わせていく。糊漆は、洗濯糊と下地漆を2:1でよく練ったものを使う。
1枚目が型に沿って貼れたら、2枚目の麻布をそのまま1枚目の上に置き、絵筆で押さえて型に合わせていく。1枚目につけた糊漆で1枚目と2枚目が概ね接着されるが、不足する箇所には糊漆を追加する。作業を終えたら、漆風呂に入れて乾かせる。

▲離型剤を型へ塗る ▲麻布を型の大きさに切る

▲麻布に糊漆をつける ▲型に沿って麻布を貼る

第2工程 中詰め

漆が固化したら、型から布を外し、余分な布をハサミで切り取り、形を整える。
その後、内側に発泡ウレタンを充てんし、膨張し始める前にヘラ等で型に押し込み、隙間が無いようにする。

▲余分な布をハサミで切り取る ▲発泡ウレタンを型に押し込む

▲発泡ウレタンを型に押し込む ▲固化後の膨張した発泡ウレタン

第3工程 布貼り

ウレタンが硬化したら、2~3mmを残してカッターナイフで切り取り、残りはベルトサンダーで平らになるよう削り出す。その後、ペーパー(240番)で角部分をきれいに仕上げる。
そして、あらかじめ原型より一回り大きめに切った麻布を用意しておき、糊漆を塗り延ばし、裏側(ウレタンの上)に貼る。このとき、隅々までしっかりと接着させるとともに、反対側の麻布に接着しないように注意する。
作業を終えたら、漆風呂に入れて乾かせる。

▲余分なウレタンを切り取る ▲ベルトサンダーで平らにする

▲麻布に糊漆をつける ▲裏側に麻布を貼る

第4工程 拭き漆

裏側の漆が固化したら、余分な麻布をペーパー(240~320番)で研ぎ切る。また表面に軽くペーパーがけをする。
この際、きちんと接着していない箇所があれば、再び糊漆で接着する。ここできちんと処理しておかないと形が崩れ、仕上がりがよくならない。
その後、全体を固めるため拭き漆をする。拭き漆には下地漆とテレピン油を1:1で希釈したものを使い、麻布の端の繊維を表面へ固着させるように処理する。漆を塗布したら全体を軽く拭き取り、漆風呂に入れて乾かせる。

▲余分な麻布を研ぎ切る ▲表面を滑らかに磨く

▲接着できてない箇所を補修 ▲全体を拭き漆にて固める

第5工程 目摺り

ペーパーで空研ぎを行い、布端をきれいに研いでおく。
そして、錆漆を布目に入れる感じで薄く塗り延ばす。錆漆は下地漆と水練りした砥の粉を1:2で練り混ぜたものを使う。砥の粉の粒子に水をしっかりと含浸させるため、使用する1週間前に水練りしておくのが理想である。
目摺りを終えたら、漆風呂に入れて乾かせる。

▲布端をきれいに研いでおく ▲きれいに処理した布端

▲下地漆(左)と水練りした砥の粉 ▲錆を布目に入れるように塗る

第6工程 拭き漆

全体をペーパー(320番)で空研ぎし、余分な錆を取り除く。
その後、全体を固めるため、拭き漆をする。下地漆を原液のままを摺り込み、ウエスでふき取った後、漆風呂へ移して、乾かせる。

▲余分な錆をペーパーで取り除く ▲余分な錆をペーパーで取り除く

▲下地漆を摺り込む ▲余分な漆をウエスで拭き取る

第7工程 蒔地(1)

蒔地(まきじ)とは漆を薄く塗って、それが乾かないうちに地の粉や砥の粉を蒔いて、下地にする技法である。
はじめに下地漆を塗り立てるように薄く均一に塗る。この下地漆が地の粉の接着剤の役割を果たす。
そして5分ほど待ち、漆の初期硬化が始まる頃に、地の粉を蒔く。少し時間を置く理由は、漆は空気中の水分を取り込んで硬化するため、粉で表面を覆う前に空気に触れさせて、硬化をしやすくしておく意味がある。
1回目の蒔地では、あらかじめ目の大きなふるい(80~140φ)でふるった地の粉を蒔く。蒔くときには、プラスチック容器の蓋に穴をあけて、網目状のガーゼを被せたものを使うと蒔きやすい。
蒔き終えたら漆を乾かせる。

▲下地漆を薄く均一に塗る ▲粉を蒔く容器

▲地の粉を蒔く ▲地の粉を蒔き終えた後

第8工程 蒔地(2)

2回目の蒔地(まきじ)では、小さい目のふるい(200φ)でふるった地の粉を蒔き、1回目の大きな粒子の間に小さな粒子を埋め込んでいく。
はじめに1回目に蒔いた地の粉の余分なものをウエスで払い落とした後、ペーパー(600番)で表面を平滑に研いでおく。
そして、前回同様に下地漆を塗り立てるように薄く均一に塗り、5分ほど待ち、漆の初期硬化が始まる頃に、地の粉を蒔く。蒔き終えたら漆を乾かせる。
次に第9工程として、より粒子の小さな砥の粉を使った蒔地をする。
(第9工程は第8工程と同じため記載省略)
さらに第10工程として拭き漆を行い、蒔地を固める。ここではあらかじめペーパー(800番)で表面を平滑にする。
(第10工程は第6工程と同じため記載省略)

▲前回の余分な地の粉を払い落とす ▲ペーパーで表面を平滑にする

▲下地漆を薄く均一に塗る ▲地の粉を蒔く

第11工程 中塗り

仕上げ前の工程として、黒中漆を漆刷毛(地塗刷毛)で塗る。
漆風呂で乾かせた後、ペーパー(800番)で水研ぎを行い表面を平らにする(中塗り研ぎ)。乾かせた後、仕上げとして螺鈿や漆絵などの加飾の工程を行う。
(ここでは記載省略)

▲水研ぎで表面を滑らかにする ▲拭きとる

▲黒中漆を地塗刷毛で塗る ▲漆風呂で乾かせる