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本堅地呂色仕上 螺鈿(青貝細工)作業工程

作品名

本堅地青貝螺鈿被せ蓋手箱
箱 榡地=桧
貝=夜光薄貝、及び鰒貝粉

本堅地 工程

第01工程 木地拵え

第02工程 木地固め

第03工程 布着せ

第04工程 乾固

第05工程 布目揃え

第06工程 布目むら直し

第07工程 布目摺り

第08工程 地の粉付け

第09工程 地研ぎ

第10工程 地固め

第11工程 切り粉付け

第12工程 切り粉研ぎ

第13工程 切り粉固め

第14工程 錆付け

第15工程 錆研ぎ

第16工程 錆固め

第17工程 中塗り

第18工程 中塗研ぎ

第19工程 拭き漆

第20工程 呂色漆塗り

第21工程 呂色漆研ぎ

第22工程 胴摺り

螺鈿(青貝細工) 工程

第23工程 青貝切り抜き

第24工程 配置決定

第25工程 貝貼り付け

第26工程 貝粉併用の場合

第27工程 塗り込み

第28工程 研ぎ出し

第29工程 胴摺り

第30工程 拭き漆

第31工程 ツヤ上げ

第32工程 拭き漆

第33工程 ツヤ上げ

第34工程 拭き漆

第35工程 ツヤ上げ



本堅地 工程

第1工程 木地拵え(木地調整とも)

木地(榡地とも。この場合は桧の被せ蓋の箱)を丁寧にペーパー320番で摺る。特に接着部分のボンドの喰み出しが残らぬよう注意する。
木地拵え終了。木粉を乾いた布で良く拭取る。四隅の部分は刷毛を用いて払う。

▲木地拵え ▲木地拵え

▲木地拵え ▲木地拵え終了

第2工程 木地固め

下地用生漆(以下下地漆という)を定盤に出してよく練り、柔らかい布切れ(以下ウェスという)に付けて木地全体によく染み込ませるように拭き込む。
特に四隅や角の内角部分は、尖った串などにウェスを巻き付け確実に拭き込む。この時ボンドが万一残っていると漆が乗らず、今後の作業の支障になるので刃物を使ってその部分を薄く削り取っておく。
写真※1の左側は木地固めを終えた蓋。
身(写真※1の右側)も同様に木地固めする。
下地漆は定盤(写真※2の板、パレット)に必要量を出し、ヘラを使ってよく練る。(練ることによって均質化させ、空気に触れさせることにより渇きも良くなる)
ウェスで拭き込むとき、延びや吸込みが悪い時は、片脳油又はテレピン油を少し(10%位)加えて練る。
木地固めが終わったら、漆風呂(以下風呂という。70%くらいに加湿した木製の戸棚)に入れて一週間程よく乾燥させる。

▲木地固めを終えた蓋 ▲身(※1)

▲定盤(※2) ▲木地固めの作業風景

第3工程 布着せ

麻布(古い蚊帳生地が最も良い。化繊の布は不可)を身・蓋の全体に貼る。こうすることによって、木地の狂いを未然に防ぎ、漆器としての丈夫さを生み出すのである。
寸法に合わせ布を切る。
糊漆(水に溶いて煮た小麦粉の糊、又は米粉で作った米糊に、下地漆を5:5又は6:4でよく練り混ぜたもの)を作り、大きな紙又は樹脂板等の上で、ヘラを使って布によくなじませながら全体に糊漆を引いていく。この時、木地に直接糊漆を塗布し、麻布をのせてつけていく方が手軽ではあるが、この方法は往々貼付け不十分で浮いた部分が出来易いので前記の方法によること。
糊漆はムラなく均等に付けること。
糊漆をムラなく付けたら、布をそっと下の紙からはがし取り、木地に貼り付ける。布の切込みが複雑な場合は、一人では困難なので他の人に協力を求めると良い。
あまりピシッと強く引っ張って貼ると、乾くに従って布と糊漆の収縮の力で思わぬゆがみを生ずることもあるのでフワッと載せるような感覚で良い。
ヘラを使って、布がずれないよう気を付けながらまず平地部分、次は周囲(立ち上がり部分)を軽くこき付けるように確実に貼り付けてゆく。
糊漆が少なかったら一旦めくり上げ、糊漆を付け直して貼り付ける。
四隅の角は処理が余り面倒にならぬように考えて、重なりの部分は予め切り取っておく。
四隅の角はどうしても重なりが出来易いので、糊漆をヘラで付けながら抑え付けて、はがれてふくれ上がって来ることのないようよくなじませる。
作業台に広げた紙(布をはがし取ったあと)にも糊漆が残っているので無駄にならぬようこれもヘラですくって貼った布の上に均等に引いて、布の表裏を糊漆で塗り込める。 箱状のものへの布着せは通常は、上から被せるように貼って、内側に折込んでゆくが、場合によっては裏側(内側)から先に貼っても良い。
いずれにしても浮きのないようしっかりと、角の立上りの直角の部分など、ヘラや串で押し付けるように貼り付けることが大切である。この写真(※2)のように糊漆が余り多い場合は、ヘラで均等にこそげ取る。この際、内側角の布が引っ張られて浮いてしまわぬよう注意すること。
前項で、写真(※1)のように立ち上がり部分に折り込んで貼った場合、その糊漆が完全に乾いてから内側、中央の部分に概略の大きさに切った布を貼り込んで、その上から糊漆をヘラで縦横にこき付ける。
布が重なり合って多少二重になる部分が生ずるがそれは構わない。逆に隙間が生じたら余った布をその大きさに切って貼り、すき間を埋める。

▲寸法に合わせ布を切る ▲糊漆を作る

▲布に糊漆を引いていく ▲糊漆はムラなく均等に付けるく

▲布を木地に貼り付ける ▲布を木地に貼り付ける

▲布を木地に貼り付ける ▲布を木地に貼り付ける

▲箱状のものへの布着せ(※1) ▲余りの糊漆をヘラで均等にこそげ取る(※2)

▲すき間を埋める

第4工程 乾固(風干し)

風に当て、十分によく乾燥させる。
布着せをして、木地を全て布で包んだ状態。蓋物の箱の場合は、身・蓋とも以上の工程によって布着せを行う。

▲十分によく乾燥させる

第5工程 布目揃え

糊漆が完全に乾いたら、布が重なり合って厚くなった部分を小刀で削って布目の面を平らにする。
彫刻刀や、のみを使用するのも良い。

▲小刀で布目のを平らにする ▲のみで布目の角を平らにする

第6工程 布目むら直し

砥石やサンドペーパー(320番~600番位、当て木を使用)で空研ぎする。この段階で、平らであるべき部分は平らに、直角であるべき処は直角にきちんと仕立てることが肝要である。
もしも布が浮いたりしている部分があった場合はその部分を切削して糊漆を十分に入れ、確実に接着し直しておくこと。これ以降の工程ではこの修正は絶対に不可能であるので、よく注意して点検しておくことが大切である。

▲空研ぎする ▲空研ぎする

▲空研ぎする ▲浮いている部分の切削

▲糊漆を十分に入れ、接着し直す

第7工程 布目摺り

前項の作業で出た布の研ぎカス等の粉をよく刷毛で払い、錆を全体にヘラを使って擦り込む。錆は砥の粉10をよく水練りし、下地漆を4.5~5程度加えよく練る。これをヘラでよく布目の中に擦込み風に当ててよく乾固させる。

▲錆を全体に擦り込む ▲錆を全体に擦り込む

第8工程 地の粉付け

この工程以降、愈々下地をつけては研ぐ工程に入る。今回の講座ではこの地の粉付けを行うともちろん丈夫さは増すが手持ちが少々重たくなるので、今回の講座ではこの工程は省略した。

<尚参考までに概略を以下に記しておく。>
地の粉を定盤に出し水を加えよく練った上、これに下地漆を加え更によく練る。その比率は水練地粉10:下地漆4.5程度とし、よく練り上げて耳たぶ程度またはそれより少し柔らかい程度に調整する。
この地の粉を、ヘラを使って器物全体に塗り付ける。無論、一度に全面に塗ることはできないので身、蓋とも夫々内側をまずつけて風に当てて乾かし、次に外側を付けるというように二度に分けて付ける。塗り厚は約2ミリ、ムラなく平均した厚さに付けることが大切である。


第9工程 地研ぎ

これを風干しにして乾固させ、しっかり乾固したらこれをペーパー(320番~500番、当て木を使用)で平滑に空研ぎする。


第10工程 地固め

布巾を水で固絞りして研ぎ上げた全面をよく拭き上げ、定盤に下地漆を出してよく練り、これをヘラ又はウェスで全面に拭き込み、更によく拭き取って風呂に入れて乾かす。

<補足>
地の粉、及びこれから付ける切り粉でも、錆でも共通することであるが、付ける時はムラなくうまく付けることができたと見えても、これを乾固させ、いざ研ぎ上げてみると驚くほど凹凸があるという事態に当惑することが多い。これは技術の問題も勿論だが、下地漆でツヤが出て凹凸が光となって見えてくるためである。
この凹凸が余り甚だしい時は、もう一度付けて埋める。


第11工程 切り粉付け

4、5日風呂に入れて内、外ともよく乾固したら、上に記した地の粉付けと同じ要領で切り粉付けを行う。
切り粉とは、地の粉(粗い)と砥の粉(細かい)の二種類の粉を等量に混ぜ合わせたものである。これを定盤上で水練り(耳たぶ程度の柔らかさ)し、これを10に対し下地漆を5程度加えて十分に練り、ヘラでこれをうすく(塗り厚1.5ミリ~2.0ミリ程度)ムラなく付ける。勿論これも地の粉で述べた通り1回では無理なので2回に分けての作業となる。

▲切り粉を作る ▲切り粉を作る

▲切り粉を作る ▲切り粉をヘラでムラなく付ける

第12工程 切り粉研ぎ

全体に付けたら、風に当ててよく乾燥させる。カリッと完全に乾固したら地研ぎ同様にペーパーで平滑に空研ぎする。

▲平滑に空研ぎする ▲平滑に空研ぎする

第13工程 切り粉固め

布巾を水でゆすいでこれをしっかり固絞りし、これでよく全体を拭き上げ、定盤に下地漆を出してよく練り、これをヘラ又はウェスで全面を拭き込み、更によくこれを別のウェスで拭き取って風呂に入れて乾固させる。
(特に内角の隅などは竹串をウェスで包むなどして入念に拭き取る)

▲下地漆を拭き込む

第14工程 錆付け

拭き漆が完全に乾固したら、上記した地の粉付け、切り粉付けと同じ要領で錆付けをする。これが下地の仕上げになるので丁寧に。
定盤に砥の粉を出して水練りし、これを10に対して下地漆を5~6程度加えてよく練り、これを上記同様に2回に分けてうすく(塗り厚1.5ミリ程度)ムラなく付け、風干しで十分乾固させる。

▲砥の粉を水練りする ▲砥の粉を水練りする

▲錆付けをする ▲錆付けをする

▲錆付けをする

第15工程 錆研ぎ

完全に乾固したら、切り粉研ぎ同様にペーパーで平滑に空研ぎする。但し、この錆で下地工程は終わるので、この段階で完全に平滑に研ぎ上がっていないときれいな塗り肌は絶対に得られないので、慎重かつ丁寧に研ぎ上げること。

▲平滑に空研ぎする ▲平滑に空研ぎする

第16工程 錆固め

布巾を上記同様に固く絞り、よく丁寧に粉を拭き取る。定盤に下地漆を出してよく練り、ウェスを使って全体を拭き込み、別のウェスを使って拭き取って、風呂に入れて十分時間をかけて乾固させる。
尚、この錆固めが乾いたら、風呂から出して平らな所は完全に平らになっているか、凹み等はないか、直角であるべき処はキリッと直角になっているか、光に透かして厳密に点検する。もしも遺憾な点があったなら、研ぎ直すなり、錆を付け直すなりしてきちんと修正した上、下地漆で固め直しておくべきである。

以上で本堅地による箱物の下地工程を終えることとなる。

▲錆固め ▲錆固め

第17工程 中塗り

以降、塗りの工程に入るのであるが、まず塗る前に漆の喰い付きを良くするために、500番ないし600番程度のペーパーで、全面をごく軽くなでるようにかけて表面を少し荒くしておく。錆固めをした器物の表面は、下地漆のためにツルツルしているからである。
ただし、このペーパーがけは、必ずごく軽くかければ良いのであって絶対にゴシゴシと往復させてかけてはならない。
終わったら、表面全体を布巾で拭き上げて、粉を丁寧に拭き取る。
中塗漆を一旦定盤に出してヘラでよく練った上、これを漉して全面に刷毛塗りする。(二度に分けて塗ること上記に同じ)風呂に入れて乾固させる。
一度塗って乾固させた中塗りを水研ぎする。極力平滑になるよう研ぐ。
もう一度、中塗漆を漉して塗る。
埃を立てぬよう静かに塗る。
風呂にそっと入れて乾固。

▲裏面を少し荒くしておく ▲裏面を少し荒くしておく

▲中塗漆を漉す ▲中塗漆を刷毛塗りする

▲中塗漆を刷毛塗りする ▲中塗漆を刷毛塗りする

第18工程 中塗研ぎ

しっかり乾固したら、1000番水ペーパーを使って全体を水研ぎする。
この段階で完全に平滑な面を作る。

▲全体を水研ぎする ▲全体を水研ぎする

第19工程 拭き漆

下地漆をウェスを使って全体に拭き漆し、吸込み止めをする。
すぐに、ムラなく拭き取って、風呂に入れる。


第20工程 呂色漆塗り

拭き漆が十分に乾固したら、中塗りの時と同様に喰いつきを良くするため、1000番水ペーパーを使ってごく軽く全体をなでるように少し荒らす。呂色漆を定板に出して十分に練った上、漉して埃を完璧に取り去る。
種油を完全に除去した刷毛に漆を含ませ、塗り面全体にムラなく漆を配る。
配った漆を刷毛で塗り伸ばしていゆく。こうすることによってムラなく均等の塗り厚で塗り上げることができるのである。
風呂に入れ、よく乾固させる。

▲呂色漆を漉す ▲塗り面全体に漆を配る

▲漆を刷毛で塗り伸ばしていゆく

第21工程 呂色漆研ぎ

1000番水ペーパーで、当木を使って慎重に水研ぎする。


第22工程 胴摺り

種油をごく薄く塗りのばし、よく潰した砥の粉を使って胴摺りする。
終わったら、洗剤を使い油分を洗い落す(以下同)。
以上、本堅地呂色仕上げの工程によってここまで進めてきた。
これで、非常に堅牢で美しい螺鈿(今回の講座の場合は青貝細工)の素地が出来上がった。
以上で、本堅地の工程解説を終える。


引き続き、この本堅地の箱に施す螺鈿(青貝細工)の工程について述べる。



螺鈿(青貝細工) 工程

第23工程 青貝切り抜き

好みや図柄の効果を構想して、鰒、白蝶貝、夜光貝等、どの貝を使うかを決める。
図案を決定し、これを美濃紙などの薄紙に写し取り切り抜く。
これを日本糊で青貝に貼り付け、鋏を使って切り抜く。細かな部分は大まかに切り抜いてから彫刻刀などで切り抜く。和紙は湯に漬けてはがす。
又は墨で貝に直接図案を書いて乾かし、十分乾いてから貝を湯に漬けて柔らかくしてから鋏で切り抜く方法もある。
切り抜いたら切り口をペーパーで軽く摺って滑らかに整える。

▲青貝を切り抜く ▲青貝を切り抜く

▲青貝を切り抜く

第24工程 配置を決める

図案の絵に従って、切った貝を並べてみて、全体のバランスを見て配置を決め、胡粉等で印をつける。

▲配置を決める ▲配置を決める

第25工程 貝貼り付け

呂瀬漆を作り、よく練る。
貝の裏側に呂瀬漆を薄めに均等に塗り、ティッシュ等を使い押し付けるようにしっかり貼り付ける。
椿の花弁など色を出したい場合は、予め貝の裏側にその色の漆を塗り、ゆっくりと数日間、時間をかけて乾固させておく。これを伏彩色(ふせざいしき)という。
広い面積に、沢山のパーツを貼るには、素地の方に呂瀬漆を均等に塗って貼るが、余り大きな面積の貝を貼ると周囲は乾くが中央の辺りはいつまでも乾かない。そのため、大きな一枚貝を貼る時は予め貝をいくつかに切り分け貼り継いでゆくのである。

▲呂瀬漆を作る ▲貝を貼り付ける

▲貝を貼り付ける ▲貝を貼り付ける

▲貝を貼り付ける

第26工程 貝粉併用の場合

呂瀬漆を素地に薄目に均等に塗り、5~6分置いて塗り面が滑らかになってから、パラパラと蒔き付ける。
蒔き付けた貝粉が呂瀬漆に突刺さったままで立ったまま乾いてしまうと貝の輝きが出ないので、蒔いたらすぐティッシュ等で押さえ込んで横に寝かせて固着させることが肝要である。

▲呂瀬漆を塗って貝粉を蒔き付ける ▲呂瀬漆を塗って貝粉を蒔き付ける

第27工程 塗り込み

呂色漆をよく練って漉し、縮みが出ぬ程度に心持ち厚塗りする。貝も塗り込める。
貝を貼った際(きわ)に縮みが出やすいので、別の小さい刷毛を使ってその部分の呂色漆をそっと除去しておくと良い。
風呂で十分に乾固させ、呂色漆と貝の上の高さを見る。高さの差が大きい場合は、呂色漆をもう一度塗り重ねる。青貝の場合は、地と貝の高さが余り極端でない方が上品な仕上がりとなるからである。

▲呂色漆を塗り込む

第28工程 研ぎ出し

この場合の貝の研ぎ出しは、貝の上を刃物で傷を付け、そこから貝の上だけ呂色漆をむいてゆく方法があるが、不なれな間は際(きわ)を傷める危険性があるのでここでは水ペーパーを使っての研ぎ出しとする。
正確均等に研ぐためにまず小指程度の小さな木片(印鑑のような形に整え、下端を完全に平滑に仕立て四方の角も落としておく)を用意し、両面テープでその下端の面に耐水ペーパー1000番、及び1200番を喰み出さぬように貼り、これを砥石の代用とするのである。
まず1000番の研ぎ棒を使って貝の上を水を十分使ってざっと荒研ぎしてゆき、貝の全体の状態を掴んだ上、1200番で更に研いでゆく。但し貝は蒔絵の金粉銀粉よりも柔らかいので、研ぎすぎて破ってしまわぬようこまめに布で水を拭って様子を確かめながら研ぐ。
ある程度貝を研ぎ出したら、次は地を研ぐ。水を十分使いつつ、絶対に研ぎ破りなどはないよう上記の通り布で拭き取って調子を見ながら研ぐ。
同様に、側面、内側、身の内外も呂色研ぎをする。この時、貝のない面の水研ぎはつい粗略に流れて研ぎ破りを招いたりし易いが、十分注意して研ぐこと。

▲研ぎ出しをする ▲研ぎ出しをする

第29工程 胴摺り

一面づつ種油をごく薄くのばして付け、よく潰した砥の粉を指先に付けて磨くこと呂色仕上げの時と同様であるが、貝の端で指先を傷付けたりせぬよう注意のこと。
表裏とも胴摺りを終ったらよく水洗いをして種油を洗い去っておく。

▲砥の粉を指先に漬けて磨く ▲砥の粉を指先に漬けて磨く

第30工程 拭漆

蓋身共胴摺が終ったら、生漆をウェスに付けて拭き込んで、別のウェスを使って十分に生漆を拭きとり、風呂に入れ乾固させる。


第31~35工程 ツヤ上げ

胴摺り同様に一面づつ種油を塗りのばして、呂色磨粉を指先に付けて十分に磨き上げる。
このツヤ上げを拭漆とも合計三回ほどくり返してツヤを上げ、完成とする。

▲ツヤ上げ ▲ツヤ上げ

▲ツヤ上げ ▲完成品

▲完成品 ▲完成品

▲完成品